『アメリカの主権者教育』からの報告

2019年3月14日


13日・14日と2日間、愛媛大学で行われた主権者教育会議へ参加をさせていただきました!

今回は、岡山大学の先生で、同じく主権者教育アドバイザーをさせていただいている桑原敏典先生と愛媛大学の鴛原進先生、井上昌善先生にお声掛けいただき、13日に講演をさせていただく機会をいただきました。

その他にも、日本の主権者教育研究をリードする先生方がたくさん松山へお越しになり、いつもと違う緊張感もありましたが、YOUNG CONEXIONの山口・白石(祐)とこれまでの活動を報告。

高校生にとってもとてもいい機会になったと思います。

お招きいただき、ありがとうございました!


個人的に一番勉強になったのは、2日目の渡部竜也先生(東京学芸大学)のお話にあった「アメリカの主権者教育が「選挙」ではなく「請願」に重きを置いている」という話です。

選挙制度も違いますので単純に比較することはできませんし、地方分権が進んでいるアメリカと日本ではコミュニティの在り方なども大きく異なりますが、それがより身近な政治を意識させ、社会への参画意識を育むことにつながっているのは、日本の教育でも参考にしていくべきことがたくさんあるように感じます。


先日、アメリカに留学していた学生と知り合うことができ、いろいろとアメリカの政治教育の話を聞く機会がありました。

彼女が留学していたのは、ちょうど2016年の大統領選挙時期のオクラホマ。

そんな時期に、「アメリカ次期大統領は、トランプ氏がイイかヒラリー氏がイイか」という議論が、授業中に勃発。

オクラホマはメキシコから近いこともあり、メキシコから来ている学生は「トランプ氏になると、アメリカに住めなくなるかもしれない」という意見が出る一方で、クリスチャンの学生は「ヒラリー氏が主張する妊娠中絶反対には同意できない」という意見が出たりと、かなりリアルな政治討論が、なぜか音楽の時間に自然発生的に起こったそうです。

…日本の教育からすると、いろいろとツッコミどころがある話です。。


ただ、それがうまくいく理由も納得で、1つは「先生が中立的で議論をリードできること(音楽の先生であることをお忘れなく)」、もう1つは「政治的な議論が終わったら、プライベートではみんな仲良しであること」。

これも、日本の社会からすると、いろいろとツッコミどころがある話ですが、これは逆にものすごくうらやましい現実だったりするのかなとも思います。


渡部先生のお話の中でも、アメリカでは常にリアルな社会を議論すること、ただしそれには専門的な知識が必要になるため、NPOなどとうまく連携をとっていることなどが紹介されていました。

シティズンシップ(主権者意識)を育むには、「『何』を学ぶか」だけでなく、「『どうやって』学ぶか」「『なぜ』学ぶか』も改めて問い直していくことが必要なのかなと感じました。