今の活動が多岐にわたるように見えるのは、「中高生がやりたいことを、ただ応援しているから。」

Q. どうしてたくさんの企画をしているの?

私が小6のときはcivicだけだったと思うんですけど、なぜもっと大きくして、たくさんの企画などを立ち上げたんですか?(高校2年生)


A. 正直、僕も驚いています笑

NPO法人化する前の時期も含めると、この活動を始めて今年でちょうど10年目。10年前には、まさか自分がこのような形で教育に関わっているとは全く想像していませんでした。

質問にあるcivicとは、『よのなかの仕組みを楽しく学びあおう』という、今なお自分の活動の軸になっているプロジェクトです。当時は毎月第4日曜日に、教育プログラムのみを行っていました。質問をくれた彼女は、そのときの生徒です。

活動が多岐にわたるようになる体験プログラムがスタートしたのは、彼女が離れた翌年の2016年。教育プログラムを受講していた高校生のアイデアで、中高生グループがスタートしたことがきっかけでした。

今では中高生発信のアイデアで、たくさんの体験プログラムを行うようになりました。ちなみに、この体験活動は今年の2月に愛媛県からNPO法人の認証をいただき、理想の学びの場を創るNPO法人としての活動を始めました。

僕からアイデアを提供することもありますが、基本的には中高生の自主性を尊重しています。ですので、僕が大きくしたというよりも、サポートしてたら大きくなった、というのが答えでしょうか。正直、僕も驚いています笑。

当然、課題もたくさんありますが、中高生は試行錯誤しながら自分たちなりに前を向いて企画を進めています。時には失敗もありますし、いら立ちや熱くなることもあります。しかし、中高生に「結果」を重視させるだけでなく「過程」を重視させることも、学ぶ上では大事な要素だと考えます。

「100点」という結果を求めるのではなく、「どうすれば100点をとれると思う?」と過程を求める。その結果、もしかしたら大人が思っていた「100点」は、こども達の中では「100点」ではなかったのかもしれない。となると、今まで当たり前に「100点」と思っていたことが、実際はそうじゃなかったのかもしれない。それを探るには、こどもも大人も同じ立場で「そもそも100点とは何か」をみんなで議論する必要がある。

このように、「社会の常識を疑ってみる」感覚は、シティズンシップ教育や主権者教育でとても大事な要素です。僕は、こういった感覚を持つ中高生と日々社会活動に接し、好奇心をくすぐられる毎日を送っています。

日々驚きの毎日を過ごし、日々新しい何かを学んだ結果、いつのまにかたくさんの企画を立ち上げることになりました。そして、当時小学6年生だった彼女が、高校生になって再び参加してくれるという体験は、この活動を続けたからこそできた感動の1つです。