2017年、今年は『本当の意味での主権者教育』を実現していきたい。

2017年、新しく年が明けました。今年もどうぞよろしくお願いします。


去年は18歳選挙が始まったこともあり、個人としても出前講座の数が増えました。選挙に関する出前講座の結果は、7月に行われた参議院議員通常選挙の18歳の高校生の投票率にも表れており、高校での選挙啓発には一定の効果があったことがはっきりしたのではないかと思います。


ただ同時に、「主権者教育」活動をしている立場からすると、モノ足りなさも感じた1年となりました。


今回の大学生の低投票率の原因は、県外の大学に進学する際に住民票を移さない人が投票を出来なかったということが理由の1つに挙げられます。しかし、そもそも主権者教育とは「主権者意識」を育むための教育です。「住民票を移す」というのは国のルールで決まっているものであり、主権者としての意識が育まれていれば、ルールに対する責任感を持つべきです。そのあたりの自覚をしっかりと育めなかったことは、主権者教育がまだまだ足りていないことの表れだといえるでしょう。


一方で今年は、18歳成人の議論が始まります。18歳成人の議論は、権利を行使するかどうかを選べる18歳選挙とはちがい、内容によっては守らなければいけないことも出てきます。


例えば裁判員法では、裁判員の選任資格として『裁判員は、衆議院議員の選挙権を有する者の中から、この節の定めるところにより、選任するものとする。』としています。

(法務省では『公職選挙法の一部改正(平成28年6月19日施行)によって、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられますが、裁判員は、当分の間、20歳以上で選挙権のある方から選任されることとなります。』とありますが、今後18歳・19歳が裁判員に適用されるようになることは十分に考えられます。)

裁判員法の場合、基本的に出廷は義務となるため、権利を行使するかどうかを選べる選挙権とは意味合いが大きく異なります。そのほか、消費者トラブルや喫煙・飲酒に関するマナーなどに対する責任や自覚を養うことが大切となってきます。


本当の意味での主権者教育は、今年から始まるといっても過言ではありません。18歳選挙は始まりましたが、主権者教育の真価が問われるのはこれからだということを大切に、教育活動を行っていきます。